上記のような悩みを解決します。
私の長年の社内SEのキャリアの中で、多くの社内SEの方と接してきました。
その中で、IT技術者として経験豊富であるにもかかわらず、うまく実力を発揮できずに、中途入社してすぐに退職してしまった方は驚くほど多いです。
一方で、社外からの中途採用ではなく、営業部門や他の間接部門(人事部や財務部)など他部署から異動してきた人が高い評価を得て出世して行った例もあります。
一体どういう事でしょうか。
今後のキャリアの選択を後悔しないために知っておこう!社内SEに向いているのはこんな人
会社における社内SE(情シス)の立場をよく理解している
間接部門とは、売上に直接結びつかない業務を担当する部門です。
売上に直結する仕事をする部門(直接部門)、や、情シス以外の間接部門(財務、人事等)が効率的に業務をできるようにITの側面から支援する事が主な役割です。
会社から期待されていることは、たとえば
- システムコストを下げてくれること
- 使いやすいシステムを提供してくれていること
- パソコンの使い方に困ったら直ぐに助けてくれること
等になります。
例えば複雑なプログラムコードが書けても、ユーザの方は「すごい」「助かる」とは思ってくれません。
どんなに最新のテクノロジーを使ったシステムでも、彼らが使ってくれなければただのガラクタで、会社にとっては負債になってしまいます。
社内SEにとって、他部署のシステム利用者は「仲間」であるとともに「お客様である」という意識を持ち、彼らの役立つものを提供し続ける姿勢が重要になります。
他人とコミュニケーションを取るのが好きである
担当するシステムや役割によりますが、社内SEはとにかく色々な人と話す期会が多いです。
以下に、社内SEが必要となるコミュニケーションの例を記載します。
番号 | コミュニケーション内容 |
① | 「次期基幹システム導入案件」を説明して発注決裁を得る。ITへの理解が浅い経営陣に如何に必要性を認めてもらうかが一つのカギ(特に、売上向上に直結しないセキュリティ強化等) |
② | 現状の勤怠管理システムの改善要望があるとの事なので、会議にてヒアリングを実施 |
③ | 今度契約するベンダとの契約書について、問題がないかのチェックを依頼 |
④ | 先日発生した営業支援システムの障害が原因で、業務が2時間も止まってしまった。営業部のマネージャに謝罪と再発防止策の報告 |
⑤ | 来年度から部署が新設されるとの事。人数や座席レイアウト等をヒアリングしてすぐにPCの調達やLAN工事を手配 |
⑥ | ②の勤怠管理システムについて、アプリを担当している自分だけでなく、基盤担当のチームメンバの協力も必要になるため相談 |
⑦ | 部長と課長宛に、実施現在担当している案件の進捗報告と、他部署向け資料の説明を実施 |
⑧ | 先日依頼した見積が期日までにこない。ベンダに問い合わせたところ内部での承認で時間がかかっているとのこと |
⑨ | 現在進行中の大型改修案件を委託しているベンダとの定期進捗報告会を毎週金曜日に実施 |
全くこの通りではないですが、これに近い形で一週間を過ごす事もあります。
そういうコミュニケーションを煩わしいと思うようだと、社内SEとして長く続けるのは極めて難しいでしょう。
困った人を助ける事にやりがいを感じる
色々なプロジェクトを経験するにつれて、顔も広くなると、様々な事を公式/非公式に相談を受ける事があります。中には、それを対応しても直接自分の評価につながらない事もあるでしょう。
そういった時に「こんな事も知らないのか」といった態度を取ってはいけません。
相手は、本当に困っていて、わらにもすがる思いで、聞いてきているかもしれません。
ITが専門ではない他部署のユーザに如何に専門用語を使わずに、わかりやすく粘り強く説明することが大切です。
そういった事に喜びを感じる事ができるでしょうか。
IT以外も勉強し続ける事が苦にならない
ITは、会社の業務を効率化するのが目的であるため、業務の事を理解する必要があります。
もちろんスペシャリストである必要はないですが、全て現場の人に教えてもらわないといけないレベルでは話にならないわけです。
具体的には、
- 会計システムの担当になったら簿記2級を取得する
- メーカーであれば自社の製品の知識や、工場の業務フロー等を勉強
- 証券会社であれば、営業員でなくても、証券外務員資格を取得
- 自社の企業サイトを担当になったので、サイトへの流入数を集めるためにマーケティング知識を習得
- グローバルシステム担当になったのでオンライン英会話で英語を学習
等になります。
上記の努力をしないと、「あの人は何も業務のことをわかっていない、使えない」と失格の烙印を押されてしまいます。
IT企業の場合は、お客さんを変えれば評価はリセットされますが、社内SEの場合、他部門のキーマンから「使えない」と思われてしまうと、信用を取り戻すのが大変です。
IT技術ではなくユーザの事を第一に考えられる
社内SEはまずはユーザ(社内のシステム利用者)ファーストであるべきです。
システムのために業務があるのではなく、業務のためにシステムがあるのです。
したがって、常に利用者の目線で、使いやすさやトラブルが起きた際の業務影響等を考える必要があります。
システムトラブルを起こした時にまず「原因を調べる」ためにログやエラーメッセージを調べ出す人がいますが、利用部門からみれば原因はどうでも良いのです。
彼らが知りたいのは
「業務にどういった影響があるのか」
「いつ復旧するのか」
しか興味がありません。
新システムの導入時、導入後の運用時、システムトラブル発生時にまずは技術目線ではなくユーザ目線で考える事が重要なのです。
雑用が苦にならない
社内SEは、純粋なシステム開発やシステム保守以外の仕事が非常に多いです。
例えば、
具体的には、
- 検査/監査対応のための資料の作成、提出
- PCや機器管理台帳のメンテナンス
- 日々のユーザIDの追加/削除
等になります。
といった作業があります。社内SEの募集要項を見ていると、DX(デジタルトランスフォーメーション)だ何だとかっこいいフレーズ目立ちますが、それ以前に、日々やらなくてはいけない地味な作業も大量にあります。
そういった作業をそつなくこなせるかが一つのポイントになります。
ドキュメント作成が苦にならない
社内SEは目的によって様々なドキュメント作成が必要になります。
ドキュメントいっても、SIerが作成する「要件定義書」「システム設計書」「システムテスト仕様書」とは全く異なります。
具体的に作成が必要なドキュメントは、
- プロジェクト実施の社内承認を得るための企画書
- メーカーであれば自社の製品の知識や、工場の業務フロー等を勉強
- ユーザ向けの障害報告書(原因や再発防止策等)
- Webサイトへのシステムメンテナンスのお知らせ
- 新システム導入時のユーザ向け操作マニュアル
等になります。
こういったドキュメントを単に作成するだけではなく、ITに詳しくない方でも分かるように平易な言葉で、分かりやすく表現しなくてはなりません。
まとめ
本日は社内SEに向いている人の特徴として以下の7つをご紹介しました。
【まとめ】社内SEに向いている人の特徴
- 会社における社内SE(情シス)の立場をよく理解している
- 他人とコミュニケーションを取るのが好きである
- 困った人を助ける事にやりがいを感じる
- IT以外も勉強し続ける事が苦にならない
- IT技術ではなくユーザの事を第一に考えられる
- 雑用が苦にならない
- ドキュメント作成が苦にならない
以上、参考になれば、幸いです。