「PM試験の難易度は?」合格に向けた勉強時間と社内SE独自の対策を解説

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プロジェクトマネージャ試験の難易度は?勉強時間と社内SEの合格戦略

技術のスペシャリストとしてやってきたけど、チームをまとめるマネジメントにも興味が出てきたな…。
質問者
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「プロジェクトマネージャ試験」って最高峰の資格だけど、合格率は低いし、特に論文が難関だって聞くよ。社内SEの経験だけで合格できるのかな?

社内SEとしてシステム開発や導入を経験し、技術的なスキルには自信がついてきたあなた。
一方で、「プロジェクト全体を成功に導く力」を客観的に証明できず、キャリアの次のステップに悩んでいませんか?

選択肢の一つとして、IT国家資格の最高峰プロジェクトマネージャ試験(Project Manager Examination, 以降、PM試験と表記)を意識しつつも、圧倒的な難易度や「実務経験が問われる論文」の壁を前に、挑戦をためらっているかもしれません。

この記事では、PM試験がどのような試験であり、社内SEが取得することでキャリアにどれほど絶大な価値をもたらすのかを、客観的なデータと具体的な学習戦略を交えて徹底的に解説します。

記事を読めば、PM試験への挑戦が、あなたのキャリアを「一担当者」からプロジェクト全体を指揮する「指揮官」へと引き上げる、確かな自己投資であると実感できるはずです。

なお、この記事ではPM試験に特化して解説しますが、社内SEとしてのキャリア全体を見据えたスキル戦略や、他の資格との優先順位について知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事 社内SEの市場価値を上げる資格とスキル|目的別キャリアアップ戦略

この記事を読めば、こんな疑問が解決します!

  • 合格率14%のPM試験の本当の難易度と、その価値の源泉
  • 社内SEが取得することで得られる、年収・キャリアにおける3つの具体的メリット
  • 最難関「午後II論文」を、社内SEの経験で突破するための具体的な対策法
  • 国際資格PMP®との違いと、どちらを目指すべきかの判断基準
  • 合格に必要な勉強時間と、最短で合格するための学習戦略

この記事を書いた人(マサトシ)

マサトシ

マサトシ(詳細プロフィールはこちら

SIerでの開発・保守経験を経て、金融、外資系、人材サービスなど計4社の事業会社で社内SEとして約20年にわたりキャリアを築いてきました。インフラ、アプリ、ヘルプデスクから部門長まで幅広く経験し、現在は採用業務にも携わっています。社内SEの本音や転職・キャリアアップのポイントなど、実務者だからこそわかる現場情報をお届けします。

結論:PM試験は社内SEが「技術+マネジメント」を証明する有効な選択肢の一つ

社内SEがプロジェクトマネージャ試験(PM試験)を目指すべきかを判断するための比較図解。「技術+マネジメント」の証明になるという結論のもと、受験を「推奨するタイプ」と「他の道を検討すべきタイプ」それぞれの具体的な条件を挙げ、キャリア選択の指針を示している。

結論として、PM試験は、技術的なバックグラウンドを持つ社内SEが、マネジメント能力を国家レベルで証明し、キャリアの選択肢を広げるための非常に有効な手段です。
ただし、誰もが目指すべき資格ではありません。まずは、自身がどちらのタイプに当てはまるか確認してください。

⭕️ プロジェクトマネージャ試験(PM)の取得を強く推奨する社内SE

  • 将来的に、チームリーダーや管理職としてプロジェクト全体を率いたい
  • 技術スキルだけでなく、マネジメント能力を客観的に証明し、年収UPや有利な転職を実現したい
  • 自身のプロジェクト経験を体系的に整理し、成功法則を学びたいという学習意欲が高い

🔺 プロジェクトマネージャ試験(PM)より他の道を検討すべき社内SE

  • マネジメントよりも、特定の技術を極めるスペシャリストの道に進みたい
  • プロジェクトの計画・管理よりも、企画や戦略立案といった最上流工程に興味がある
  • 論文執筆に強い抵抗があり、長文の文章を作成するのが極端に苦手である

もし前者に当てはまるなら、PM試験への挑戦はキャリアを大きく飛躍させる可能性があります。その理由を、詳しく解説します。

そもそもプロジェクトマネージャ試験とは?指揮能力を国家が認証する最高峰の証明

国家資格プロジェクトマネージャ試験の概要と独自の価値を図解。実務経験に基づく「午後II論文試験」が信頼の証である点と、他のベンダー資格と異なり更新不要で維持コストがかからない「生涯資格」であるという2つの大きな特徴をアニメ風に解説。

PM試験は、単なる知識テストではありません。
プロジェクトを成功に導く「指揮官」としての能力を、国家が認証する最高峰の資格です。その独自の価値は、試験の核心部分と、他の資格との制度的な違いに表れています。

①資格の核心:実務経験を問う「午後II論文」が価値の源泉

PM試験の価値を最も象徴するのが、最終関門である午後IIの論述式試験(論文)です。
試験は、単に知識の有無を測るものではありません。

受験者自身の実務経験を基に、特定のテーマについて2,000~3,000字程度の論文を記述させるという、極めて高度な評価方式を採用しています。
論文試験の存在により、付け焼き刃の知識や経験のない者が合格することは事実上不可能です。

つまり、合格者=実践的な経験に裏打ちされた、信頼に足る本物のプロジェクトマネージャであることが担保されます。この「経験の可視化」こそが、PM試験が市場から絶大な信頼を得ている根源です。

②更新不要で生涯有効な「恒久的資産」であること

PM試験の大きな特徴は、一度合格すればその資格は生涯有効となる点です。

登録料、更新料、維持コストは一切かかりません。
この「恒久的資産」モデルは、資格をキャリアにおける一度の重要な投資と位置づけることを可能にします。
資格保有者にとって経済的負担が少ないという大きなメリットをもたらします。

プロジェクトマネージャ試験の難易度:合格率14%の壁はなぜ高いのか

アニメ風イラストで示すプロジェクトマネージャ試験の難易度。合格率14%の壁という巨大な門に向かって、苦戦する受験者キャラクターが描かれている。

PM試験は、情報処理技術者試験の中でも最難関の一つです。
難易度は、単に合格率の低さだけでなく、試験の多段階構造にも起因します。ここでは、客観的なデータと試験構造の両面から、その難しさの実態に迫ります。

①客観的データで見る難易度:応募者から見た実質合格率は10%以下

IPAの公式統計によると、PM試験の合格率は近年、概ね13%~15%という極めて低い水準で安定しています。
令和5年度秋期試験の合格率は13.5%でした。

さらに注目すべきは、応募者数に対する実際の受験者数の割合(受験率)が約65%~70%に留まっている点です。
つまり、約3割の応募者が、準備不足などから受験を断念しています。

この「隠れた脱落率」を考慮すると、応募者に対する実質的な合格率は、10%を大きく下回ることも珍しくなく、これが最難関と言われる所以です。

②試験の構造:知識と経験を問う4段階の評価基準が壁となる

PM試験は、1日で4つの試験を連続して受験する必要があり、各パートで基準点を満たさなければ、その時点で不合格となる厳しい選抜プロセスです。

試験区分(時間) 形式 合格基準 主な内容
午前I(50分) 多肢選択式 60%以上 応用情報レベルの幅広いIT基礎知識
午前II(40分) 多肢選択式 60%以上 PMBOK®︎中心の専門知識
午後I(90分) 記述式 60%以上 長文シナリオに基づく問題解決能力
午後II(120分) 論述式(論文) Aランク 実務経験に基づく論文構成・論述能力

社内SEが取得する価値は?キャリアを飛躍させる3つの具体的メリット

社内SEがプロジェクトマネージャ試験に合格することで得られる、年収アップ、資格手当、キャリアの将来性という3つのメリットを図解

厳しい試験を乗り越えた先に、どのような未来が待っているのでしょうか。
社内SEであるあなたのキャリアに直結する「年収」「社内評価」「将来性」という3つの観点から、具体的で強力なメリットを解説します。

メリット1:転職での価値向上(年収1,000万円超の専門職への道)

資格は、あなたのマネジメント能力を客観的に証明する強力な武器です。
実際の求人例を基に、年収がどれほどアップする可能性があるのか、そのリアルな実態を紹介します。

実際の求人例

例:大手コンサルティングファームのITプロジェクトマネージャ求人
(2025年10月時点の求人情報例)

  • 業務内容:大規模システム導入プロジェクトの計画・実行管理
  • 歓迎要件:プロジェクトマネージャ試験(PM)、PMP®等の資格保有者
  • 提示年収:800万円~1,500万円

このように、1,000万円を超えるハイクラス求人も珍しくありません。
PM試験の合格証は、こうした高価値なポジションへの扉を開くための信頼性の高い「鍵」となります。

メリット2:企業からの金銭的評価(報奨金や資格手当)

多くの企業は、従業員のスキルアップを奨励するため、PM試験の取得者に対して具体的なインセンティブ制度を設けています。

企業の規程により大きく異なりますが、一般例として、以下のようなインセンティブが用意されているケースが多く見られます。

  • 報奨金(一時金):10万円~16万円程度
  • 資格手当(月額支給):月額1万円~4万円(年額12万円~48万円)程度

受験料7,500円を考えると、学習コストを十分に回収できるリターンと言えます。

メリット3:キャリアの将来性(陳腐化しない普遍的能力)

特定のプログラミング言語の知識は数年で陳腐化する可能性があります。
しかし、PM試験が証明する能力の本質は、「目的を定義し、計画を立て、チームを率い、リスクを管理し、成果を出す」という、時代や技術を超えて普遍的に価値を持つ能力です。

資格は、年齢を重ね、現場の最前線からマネジメント層へと移行していくキャリアパスにおいて、自身の経験と能力を客観的に示し続ける、信頼性の高い拠り所となります。

【徹底比較】PMP®との違いは?国内キャリアならPM試験が有力な選択肢

プロジェクトマネジメント分野には、国際資格であるPMP®も存在します。
どちらを目指すべきか、それぞれの特徴と、特に費用や維持要件の違いから比較してみましょう。

PM試験とPMP®:それぞれの特徴と向いている人

まず、どちらの資格がどのような人に向いているかを解説します。

プロジェクトマネージャ試験(PM) PMP®
向いている人 日本国内のIT業界で、コストを抑えてマネジメント能力を証明したい人 外資系やグローバルな舞台で、業界を問わず活躍したい人
資格種別 国家試験 国際認定資格
主たる焦点 ITプロジェクトの実行管理 プロジェクトマネジメント全般

受験資格・費用・維持要件の比較:どちらが自分に合っているか

次に、資格を取得し、維持するための具体的な要件とコストを比較します。
ここが、どちらを受験するかを決める大きな判断材料になります。

プロジェクトマネージャ試験(PM) PMP®
受験資格 なし 大卒以上:36ヶ月以上のPM経験
高卒以上:60ヶ月以上のPM経験
受験費用 7,500円 PMI非会員:555ドル
(約83,250円 ※1ドル150円換算)
維持要件 なし(生涯有効) 3年ごとに60PDU4の取得と更新料が必要
根拠 IPA PMI日本支部

このように、PMP®はグローバルな認知度が高い一方で、受験・維持ともに高いハードルとコストがかかります。
国内のIT企業でキャリアを築き、コストパフォーマンスを重視するなら、PM試験は極めて魅力的な選択肢と言えるでしょう。

【合格率14%を突破へ】プロジェクトマネージャ試験の現実的な勉強方法

プロジェクトマネージャ試験の現実的な勉強方法を示すインフォグラフィック。応用情報合格レベルからスタートし、200時間以上の学習時間を目安に、午前I(免除推奨)、午前II(過去問完全理解)、午後I(記述・読解力)、午後II論文(3ステップ準備)の4フェーズを経て合格を目指す戦略を図解

プロジェクトマネージャ試験は難関ですが、正しい戦略と計画があれば、多忙な社内SEでも合格は十分に可能です。
ここでは、最短ルートで合格を掴むための、具体的かつ効率的な学習の進め方を解説します。

学習の基本戦略:応用情報合格レベルから200時間以上の勉強時間

大前提として、本試験は応用情報合格レベルの知識があることがスタートラインです。
まだ合格していない方は、まず応用情報の取得を目指すことを強く推奨します。

応用情報合格レベルの方が、さらに200時間以上の学習時間を確保することが一つの目安です。(出典:多くの合格体験記や資格予備校サイトの情報を総合的に判断)
1日2時間の学習を続けた場合、3ヶ月半から8ヶ月程度の期間が必要となります。

教科書(インプット用)

『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』(翔泳社)
通称「みよちゃん本」。網羅性が非常に高く、辞書的にも使えるため定番です。

問題集(アウトプット用)

IPA公式サイトで公開されている過去問題
最も信頼性が高い必須教材です。解説が充実している市販の過去問題集も併用すると効果的です。

Webツール

「プロジェクトマネージャ試験ドットコム(旧:過去問道場)」
スマホで手軽に午前問題の演習ができ、通勤時間の活用に最適です。

合格基準と4つの学習フェーズ

学習の詳細に入る前に、絶対に避けて通れない合格基準を確認しましょう。
PM試験は、午前I、午前II、午後Iの全ての試験区分において、100点満点中60点以上のスコアを個別に取得する必要があります。

一つでも基準点(60点)を下回れば、他が満点でもその時点で不合格(足切り)となります。したがって、全フェーズで確実に基準を超える対策が不可欠です。

フェーズ1:午前I対策 ― 「免除」が最強の戦略

午前Iは、テクノロジ・マネジメント・ストラテジの3分野から広範な基礎知識が問われる、応用情報技術者試験レベルの試験です。

最善の戦略は「免除」を取ることです。
午後試験の対策には膨大な時間が必要となるため、可能な限り午前Iは免除制度を利用してスキップし、リソースを温存するのが鉄則です。

「免除」の条件

  • 応用情報技術者試験に合格する
  • 他の高度試験(レベル4)に合格する(例:ネットワークスペシャリスト、システムアーキテクト等)
  • 他の高度試験の「午前Ⅰ試験」における基準点以上の取得

免除なしで受験する場合は、「過去問道場」などのWebアプリを活用し、通勤時間などの隙間時間を使って過去問を反復しましょう。

フェーズ2:午前II対策 ― 「過去問」の完全理解で突破する

午前IIは、プロジェクトマネジメント分野(PMBOK®︎など)に特化した、スキルレベル4相当の専門知識が問われます。

ここでも過去問からの流用や類題が多く出題されるため、過去問演習が極めて効果的です。

ただし、「答えの丸暗記」は絶対にNGです。なぜなら、午前IIは過去問の流用だけでなく、用語の定義や技術の仕組みを深く理解していないと解けない『捻った問題』や『新傾向の問題』が出題されるためです。表面的な暗記では、本番で足切りライン(60点)を割るリスクが高まります。

フェーズ3:午後I対策 ― シナリオ読解力と記述力の養成

午後Iは、記述式で行われます。ここでは、与えられたシナリオの中から問題点や解決の糸口を見つけ出し、設問の意図を正確に汲み取って論理的に記述する能力が求められます。

対策としては、まず設問を先に読み、何が問われているかを把握してから問題文を読むことで、効率的に解答の根拠を探す訓練が有効です。時間内に要点をまとめて記述する練習を繰り返すことが不可欠です。

フェーズ4:午後II対策 ― 論文突破の3ステップ

やっぱり論文が一番の不安です…。いきなり書けと言われても…。
質問者
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マサトシ
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大丈夫です。最難関の午後II試験は、試験当日のアドリブでは対応できません。以下の3ステップで、事前に『自分の経験』を合格レベルの論文へと昇華させておく準備(トレーニング)が必要です。

論文の出題構成(例)

  • 設問ア:プロジェクトの概要と特徴(前提条件)
  • 設問イ:発生した問題と、あなたが取った具体的な行動(核心)
  • 設問ウ:その行動の評価と今後の課題(結び)

いきなり書き始めず、これらが要求している内容を分解し、以下のステップで進めるのが王道です。

step
1
経験の棚卸しとプロジェクト選定

まず、自身の過去のプロジェクト経験を洗い出し、論文の題材となりうるプロジェクトを2~3個選定します。
成功体験だけでなく、課題や失敗を乗り越えた経験の方が、具体的な記述をしやすいため題材として適しています。

step
2
論文骨子の作成

本番でいきなり書き始めないよう、過去問演習の段階から『骨子(構成案)』を作成するトレーニングを繰り返します。
この骨子作成の段階で、論理的な一貫性が保たれているかを確認することが、合格論文への最短ルートです。

step
3
PM理論の組み込みと執筆練習

作成した骨子に基づき、実際に時間を計って論文を書き上げる練習を行います。
単なる経験談で終わらせず、自身の行動の根拠として、PMBOK®︎などのマネジメント知識を意図的に盛り込みながら記述することで、採点者に響く論文になります。

DX・AI時代になぜ「プロジェクトマネージャ」の価値は揺るがないのか?

DXやAIが浸透する現代において、「人間であるPMの価値は揺らぐのではないか?」という懸念があります。
しかし、結論から言えば、その価値はむしろ増していくと言えます。その理由を解説します。

変化に適応する試験制度:アジャイル・DXなど現代的テーマへの対応

PM試験は、IPA(情報処理推進機構)が市場の変化に合わせてシラバスを改訂しており、現代のプロジェクト環境を的確に反映しています(出典:IPA「情報処理技術者試験 シラバス改訂」)。

近年では、DX推進やアジャイル型開発、さらには生成AIの利活用といったテーマも出題範囲に含まれており、常に現代の課題に対応できる、生きた資格であり続けています。

AIには代替不可能な「人間力」と最終的な「責任」の価値

AIは進捗報告書の作成などを効率化しますが、AIには代替できない領域こそが、高度なPMの中核的価値です。

AIにはできないPMの役割

  • 高度なステークホルダーマネジメント:経営層の説得や、部門間の利害調整といった高度なコミュニケーション
  • 倫理的・戦略的判断:データだけでは測れない、組織文化や倫理観を考慮した最終的な意思決定
  • 最終的な説明責任(アカウンタビリティ):プロジェクトの成否に対する最終的な責任を負うこと

AI時代において、PMの役割は単なる「管理者」から、こうした人間力と判断力を駆使する「指揮官」へと、より高度なものにシフトしていくのです。

まとめ:PM試験への挑戦は、あなたのキャリアを「指揮官」へと引き上げる自己投資

本記事では、プロジェクトマネージャ試験の難易度、価値、そして具体的な学習戦略について解説してきました。

合格率約14%、そして実務経験が問われる論文という高い壁。
その道のりは、決して容易なものではありません。

しかし、その困難さゆえに、この資格はあなたのマネジメント能力を客観的に証明する、圧倒的な信頼性を持ちます。
一度取得すれば生涯有効な「恒久的資産」として、あなたのキャリアを長期にわたって支え続けるでしょう。

もしあなたが、一人の技術担当者で終わるのではなく、チームを率い、プロジェクトを成功に導く「指揮官」としてのキャリアを本気で目指すなら、プロジェクトマネージャ試験への挑戦は、あなたのキャリアにとって確かな価値をもたらす、有益な自己投資となるでしょう

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FAQ:プロジェクトマネージャ試験の難易度や勉強法に関するよくある質問

Q. 実務経験が少なくても論文は書けますか?

はい、書くことは十分に可能です。
論文で評価されるのは、プロジェクトの規模や役職の大きさではありません。最も重要なのは、課題に対して「何を考え、どう行動し、何を学んだか」を論理的に説明できることです。

例えば、小規模なチームでのリーダー経験や、特定機能の改善プロジェクトなど、自身が主体的に関わった経験があれば、それは立派な論文の題材となります。

Q. 社内SEの経験は論文で評価されますか?

はい、高く評価されます。社内SEの経験は論文の宝の山です。
なぜなら、社内SEは技術だけでなく、利用者である社員や他部署、経営層、外部ベンダーなど、多様なステークホルダーとの調整を経験するからです。

例えば、以下のような経験は全て、プロジェクトマネジメントの実践例として有力な題材となります。

  • 基幹システムの導入・刷新プロジェクト
  • 特定の業務を改善するためのツール導入
  • 外部ベンダーと協力して進めたシステム開発
  • 複数部署にまたがる要件の調整

これらの経験を、PMBOK®︎などのマネジメント理論と結びつけて整理することが、合格論文への鍵です。

Q. 独学で合格を目指す場合、おすすめの参考書や学習ツールを教えてください。

多くの合格者が、以下の定番リソースを組み合わせて学習しています。

  • 総合参考書:『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』(翔泳社、通称「みよちゃん本」)
  • 論文対策専門書:『プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集』(アイテック)
  • Webツール:「プロジェクトマネージャ試験ドットコム(旧:過去問道場)」

まずはこれらの定評ある教材で学習を進め、必要に応じて他の教材を追加するのが効率的です。

Q. ITストラテジスト試験との違いは何ですか?どちらを先に目指すべきですか?

両者は、担う役割のフェーズが異なります。

ITストラテジスト(ST) プロジェクトマネージャ(PM)
役割 プロジェクトが始まる前の「戦略策定」
(What / Why)
プロジェクトが始まった後の「実行管理」
(How)

キャリアパスとしては、まずPMでプロジェクト遂行能力を証明し、その後STで経営戦略の領域へとキャリアを広げるのが一般的です。

Q. 2026年度からCBT化されると聞きましたが、難易度は変わるのでしょうか?

IPAの公式発表によると、難易度や評価の基準は維持される見込みです。(根拠:IPA:応用情報技術者試験等のCBT方式での実施について

CBT[3]に移行しても、出題形式、出題数、試験時間などに本質的な変更はないとされています。
ただし、これまで手書きだった論文がキーボード入力になる可能性が高いため、タイピングスキルや漢字変換の効率性が新たな要素として加わるかもしれません。


この記事で使われている専門用語の解説


1. PMBOK® (Project Management Body of Knowledge)
プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめたガイドブック。米国の非営利団体PMIが発行しており、国際的な標準となっている。コスト、品質、スケジュールなど10の知識エリアで構成されている。
2. PMP® (Project Management Professional)
PMIが認定する、プロジェクトマネジメントに関する国際的な専門資格。PMBOK®︎に基づいている。
3. CBT (Computer Based Testing)
コンピュータを利用した試験方式のこと。テストセンターのPCを使って受験する。
4. PDU (Professional Development Units)
PMP®資格を維持するために必要な継続学習単位のこと。セミナー受講や実務経験などで取得する。
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マサトシ

外資系企業や金融機関等、複数企業で社内SEとして20年以上の経験|アプリ、インフラ、PM、IT戦略策定等幅広い業務を担当|情シスの採用責任者としてキャリア採用の面接経験も多数

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