職務経歴書との違いもよく分からないし、何を書けばいいか迷うな…
そもそも、最近は紙で出すの?データで出すの?

社内SEへの転職を決意し、いざ応募書類を作成しようとした時、多くの人が最初に手が止まるのが「履歴書」ではないでしょうか。
「たかが履歴書、されど履歴書。」
職務経歴書ほど自由度が高くないからこそ、その一枚があなたの第一印象、ひいてはビジネスマナーや時代への感度までを雄弁に物語ってしまいます。
本記事では、履歴書に関するあらゆる疑問に終止符を打つべく、テンプレートの選び方から提出方法の最新事情、そして各項目の戦略的な書き方まで、「準備→作成→提出」の全プロセスを網羅的に完全解説します。
この記事を読めば、履歴書作成で迷うことは二度とありません。採用担当者の目に留まり、自信を持って次のステップに進むための一枚を、あなた自身の手で作成できるようになります。
本記事では社内SEの「履歴書の書き方」にフォーカスして深掘りしますが、これは応募活動全体の重要な一部です。求人探しから書類作成までの全手順を解説した、以下の総合ガイドも併せてご覧ください。
この記事を読めば、こんな疑問が解決します!
- 履歴書と職務経歴書の「正しい役割分担」が分かる
- 社内SE転職に最適な履歴書テンプレートとその理由が分かる
- 「学歴・職歴」「志望動機」など項目別の具体的な書き方がマスターできる
- 証明写真の準備からメールでの提出方法まで、一連の流れを完璧にこなせる
- 採用担当者の視点を取り入れた、ミスのない履歴書を作成できる
【最重要】履歴書と職務経歴書の役割分担を理解する
履歴書を書き始める前に、最も重要な前提知識からお伝えします。それは、履歴書と職務経歴書の役割を明確に区別することです。
なぜなら、この二つの役割分担を理解しないまま書き始めると、内容が重複したり、本当にアピールすべきスキルや経験がぼやけてしまったりと、採用担当者を混乱させる書類になってしまうからです。
具体的には、以下の表のように役割を明確に分けましょう。履歴書は「公的な証明書」、職務経歴書は「プレゼン資料」です。
履歴書 | 職務経歴書 | |
---|---|---|
役割 | 公的な証明書 | プレゼン資料 |
目的 | あなたが「誰」であるかを証明する | あなたが「何ができるか」を証明する |
書き方 | 決められたフォーマットに、正確・簡潔に | 自由なフォーマットで、実績やスキルを存分に |
この役割分担を頭に入れるだけで、それぞれの書類に何を書くべきかが明確になり、応募書類全体の質が劇的に向上します。
ステップ1:【準備編】書き始める前に、必要な情報を全て揃える
効率的に、かつミスなく履歴書を作成するために、まずは必要な情報を手元に全て揃えましょう。いざ書き始めてから「あれ、卒業したのは何年だっけ?」と探す手間をなくすことが、スムーズな作成の鍵です。
チェック観点
- 証明写真のデータ(3ヶ月以内に撮影したもの)
- 印鑑(データ提出の場合は電子印鑑も可)
- 正確な学歴・職歴情報(卒業・入社・退社年月日が分かるもの)
- 取得した資格の正式名称と取得年月日
- 応募企業の正確な社名((株)などと略さない)
ステップ2:【作成編】テンプレート選びと項目別ライティング術

厚生労働省履歴書様式例
準備が整ったら、いよいよ作成に入ります。現代の転職活動、特に先進性を求められる社内SEの応募においては、どのテンプレートを選び、どう書くかがあなたの評価を大きく左右します。
履歴書テンプレートの基本戦略
様々なテンプレートが存在しますが、基本戦略は以下の通りです。
まず、原本となるマスタ履歴書として、厚生労働省の推奨様式1で自身の情報を完璧にまとめたものを作成しておきましょう。
その上で、応募先に応じて柔軟に対応するのが最も効率的です。
チェック観点
- 企業やエージェントから指定がない場合:マスタとして作成した厚生労働省様式をそのまま提出する
- 指定のフォーマットがある場合:マスタから必要な情報を正確に転記して提出する
なぜ厚生労働省様式をマスタにすべきかというと、この様式は性別欄が任意記載であるなど、応募者の能力とは無関係な項目を排除し、多様な人材を活かす考え方(ダイバーシティ&インクルージョン2)を尊重しているからです。この様式に慣れておくこと自体が、現代的なビジネス感覚の証明になります。
テンプレートは、以下の公式サイトからダウンロードできます。

【項目別】採用担当者に響く書き方完全ガイド
ここからは、厚生労働省様式に沿って、各項目の具体的な書き方を解説します。一つ一つの項目で、あなたの正確性と人柄がチェックされています。
日付・氏名・証明写真
ここは履歴書の「顔」となる部分です。第一印象を決定づけるため、細心の注意を払いましょう。
チェック観点
- 日付:提出日(メール送信日または持参日)を記入する
- 氏名:姓と名の間にはスペースを空ける
- 写真:3ヶ月以内に撮影した、清潔感のある証明写真データを使用する。過度な加工はNG
連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)
企業からの連絡を受け取るための重要な項目です。間違いがあると、選考機会を失うことにもなりかねません。
チェック観点
- 住所:都道府県から、建物名や部屋番号まで正確に記載する
- 連絡先:日中に最も連絡がつきやすい個人の電話番号とメールアドレスを記載する

学歴・職歴
あなたの経歴を公的に証明する、履歴書の中核部分です。正確さと分かりやすさを両立させましょう。
チェック観点
- 学歴と職歴は分けて記載し、1行目に「学歴」「職歴」と中央揃えで書く
- 学校名・会社名は「(株)」などと略さず、正式名称で記載する
- 職歴は「入社」「退社」を明記し、簡単な業務内容を添えても良い
- 最後の職歴の下に「現在に至る」と書き、その一行下に右寄せで「以上」と記載する
免許・資格
あなたのスキルを客観的に証明する項目です。応募職種との関連性を意識して、戦略的に記載しましょう。
チェック観点
- 取得年月日順に、正式名称で記載する(例:普通自動車第一種運転免許 取得)
- 社内SEとしてアピールできる資格を優先的に書く
【社内SE転職でアピールになる資格例】
- 国家資格:基本情報技術者試験、応用情報技術者試験 など
- ベンダー資格3:AWS認定、CCNA、マイクロソフト認定資格 など
- マネジメント資格:PMP、ITILファウンデーション など
志望動機・特技・アピールポイントなど
限られたスペースで、あなたの強みと意欲を伝える項目です。職務経歴書への「橋渡し」を意識して、簡潔にまとめましょう。
チェック観点
ここは「職務経歴書の予告編」と位置づけ、最も伝えたい強みと貢献意欲を2~3行で簡潔にまとめましょう。
【例文】
現職では、〇〇業界の基幹システム開発に5年間従事し、要件定義から導入まで一貫して担当しました。貴社のDXを推進する社内SEとして、この上流工程での経験を活かし、事業成長に直接貢献できると確信しております。
本人希望記入欄
ここは待遇交渉の場ではありません。特別な事情がない限り、定型文で締めくくるのがビジネスマナーです。
チェック観点
- 基本的には「貴社規定に従います。」と記載するのが一般的
- 勤務地や職種など、絶対に譲れない条件がある場合のみ、簡潔に記載する
- 給与に関する希望は、ここでは書かないのがマナー
ステップ3:【提出編】最高の第一印象を与えるデジタル時代の提出マナー
素晴らしい履歴書が完成しても、提出の仕方で評価を下げてしまっては元も子もありません。最後の詰めで失敗しないための、現代的なマナーとテクニックを確認しましょう。
提出前の最終チェックリスト
データをアップロードする前に、深呼吸して、以下の点を確認してください。あなたという商品をアピールする「パッケージ」の最終確認です。
チェック観点
- 誤字脱字はないか(声に出して読むと見つけやすい)
- 日付は提出日のものになっているか
- Wordなどで作成した場合、誤編集を防ぐためにPDF形式に変換したか
- PDFに変換した際、レイアウト崩れや文字化けがないか

デジタル提出の基本マナー
近年、セキュリティ意識の高まりから、メールに直接ファイルを添付するのではなく、転職サイトのマイページや企業独自の応募フォームへアップロードする形式が主流です。どちらの場合でも、以下のマナーは共通です。
チェック観点
ファイル名の付け方は「履歴書_氏名_日付.pdf」のように、【書類名_氏名_日付】を入れるのが鉄則です。採用担当者が何十人もの応募書類を管理しやすくなる、非常に重要な配慮です。
もしメールで提出する場合は、件名を「【応募】社内SE職/山田太郎」のように、誰が何の目的で送ったか一目で分かるようにしましょう。
最終チェック:その履歴書は、あなたの「分身」として相応しいか?
すべてのステップを終えたら、最後に一つだけ、あなたに問いかけてほしいことがあります。その履歴書は、自信を持って「これが私です」と差し出せる、あなたの「分身」と呼べるでしょうか?
履歴書は、あなた自身に代わって採用担当者と初めて対面する、重要な存在です。その分身は、清潔感があり、正確で、配慮の行き届いた人物に見えるでしょうか。

最終提出前に、採用担当者の視点で、もう一度あなたの履歴書を見つめ直してみてください。
チェック観点
- 誤字脱字や変換ミスは本当にないか?
- 全体のフォーマット(フォント、サイズ、西暦/和暦)は統一されているか?
- 専門用語を使いすぎず、誰が読んでも分かる内容になっているか?
- この一枚から、あなたの強みと熱意が簡潔に伝わるか?
【FAQ】履歴書についてよくある質問
Q1. 証明写真はどんなものが良いですか?スピード写真でも大丈夫ですか?
清潔感のある服装(スーツやジャケットが望ましい)で、3ヶ月以内に撮影したものを使用しましょう。データ提出の場合は写真館で撮影したデータを使うのがベストですが、最近のスピード写真は品質も高いので、表情が硬くならず、明るく撮れているものであれば問題ありません。

Q2. 派遣社員や契約社員だった期間の職歴は、どのように書けばいいですか?
雇用形態が分かるように明記するのが親切です。例えば、「〇〇株式会社に派遣社員として入社」のように記載し、派遣元ではなく、実際に勤務していた企業名と業務内容を簡潔に書くと分かりやすいです。
Q3. 退職理由は書くべきですか?
職歴欄に「一身上の都合により退職」と書くのが一般的です。ネガティブな理由(人間関係など)を書く必要はありません。

Q4. 手書きとパソコン、どちらで作成すべきですか?
IT職である社内SEの場合、パソコンでの作成が圧倒的に推奨されます。手書きを求める企業は非常に稀ですし、むしろITスキルをアピールする上でもPC作成が基本です。PDF形式で保存し、ファイル名も分かりやすくしておきましょう。
Q5. アルバイト経験しかなくても、職歴に書いていいですか?
応募する職種(社内SE)と関連性の高いアルバイト経験であれば、アピールになるので記載しましょう。例えば、PCのサポートデスクや、IT関連の業務補助などの経験はプラスに評価される可能性があります。その際は、「アルバイトとして入社」と明記すると良いでしょう。
この記事で使われている専門用語の解説
- 1. 厚生労働省推奨様式
- 厚生労働省が公正な採用選考の観点から作成・推奨している履歴書の様式例。性別欄が任意記載であるなど、応募者のプライバシーに配慮されているのが特徴。
- 2. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
- 性別、年齢、国籍、障がいの有無など、多様な人材を受け入れ、それぞれの能力を最大限に活かしていこうという考え方。
- 3. ベンダー資格
- 特定のIT製品やサービスを開発・販売する企業(ベンダー)が、その製品に関する知識や技術を認定する資格のこと。(例:AWS認定、シスコ技術者認定など)