CIOとかCTOとか聞くけど、自分とは別世界の役職な気がするな…。
社内SEとしてキャリアを考える中で、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)やCTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)という言葉に、そんな風に感じていませんか。
同じIT系の役職に見えても、その役割は大きく異なり、自分にどちらが向いているのか、そもそも目指せるものなのか、分かりにくいですよね。
この記事は、そんなあなたのための「CIO・CTOキャリアの羅針盤」です。
まずCIO、次にCTOについて、その役割、活躍の場、醍醐味からキャリアパスまでを深く解説し、最後に両者に共通して求められる視点についてお伝えします。
結論からお伝えします。CIOは「ITで経営を最適化する戦略家」、CTOは「技術で事業を革新する戦略家」です。どちらの役割がより重要になるかは、その会社のビジネスモデルで決まり、どちらも社内SEの経験を土台に目指し得る、キャリアの頂点の一つです。
この記事を読めば、こんな疑問が解決します!
- CIOの具体的な仕事内容、リアルな醍醐味と試練
- CTOの具体的な仕事内容、リアルな醍醐味と試練
- 自分がどちらのキャリアに向いているかの判断基準
- 社内SEから経営層になるための具体的なステップ
なお、この記事は社内SEのキャリアパス全体を解説した記事の一部です。CIO/CTO以外のキャリアパスも含めた全体像にご興味があれば、以下の記事も参考になります。
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CIOとは?──会社を守る「経営×ITの責任者」

社内SEとしてキャリアを積むと、いつか耳にするのが「CIO」という肩書きです。
CIOの根本的な役割は、IT戦略を経営戦略と連動させ、経営判断を支えることであり、まさにIT部門の最終到達点とも言える存在です。
CIOの役割と具体的な仕事内容
CIOは主に、社内のITシステム全体を最適化し、事業を円滑に進めるための「守り」を固める役割を担います。具体的には、以下の4つの役割に分けられます。
①情報システム戦略とITガバナンス
会社全体のITに関する長期的な目標(ビジョン)を策定し、IT投資や人員の割り当て(リソース配分)に関する重要な意思決定を行います。その戦略を実行するための「管制塔」として、ITガバナンス(ITを統制・管理する仕組み)を効かせる役割を果たします。
具体例
「今後3年間で全社システムをオンプレミスからクラウドへ移行する」といった大きな方針を決定し、そのための予算を経営会議で獲得します。
②業務プロセス改革 (DX)
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することも重要な役割です。テクノロジーを用いて組織全体の業務プロセスを改革・最適化する機会を見出し、単なる効率化に留まらず、ビジネスのあり方を根本から変革することを主導します。
具体例
RPA(ロボットによる業務自動化)ツールを全社的に導入するプロジェクトを立ち上げ、これまで手作業で行っていた経理部門の伝票処理を自動化し、月間の残業時間を大幅に削減します。
③サイバーセキュリティとリスク管理
サイバー攻撃やデータ漏洩といった脅威から企業の重要情報資産を保護する最終責任を負います。これには、セキュリティポリシーの策定、コンプライアンスの確保、インシデント発生時の対応管理などが含まれます。
具体例
全従業員が遵守すべき情報セキュリティに関する新たなルールを策定し、その研修を実施します。また、最新のセキュリティ対策ソフトを導入するための大規模なIT投資を決定します。
④IT部門の統括
予算、人員、ベンダー関係を含むIT部門全体を管理します。人材育成やキャリアパスの整備、ITチームが成功するためのリソース確保も重要な責務です。
CIOが活躍する事業会社
CIOが最も力を発揮できるのは、ITが事業の基盤として機能している企業です。製造業や金融業のように、テクノロジーを事業運営の道具として活用する企業では、システムの安定稼働が経営の最優先課題となります。そのため、ITインフラの最適化やリスク管理を統括するCIOの存在が欠かせません。
具体例
製造業では複雑なサプライチェーンを止めずに動かすことが求められ、金融機関では勘定系システムの高い信頼性を維持することが事業継続の要になります。
このように、CIOは企業の「守り」を支える存在でありながら、近年では生成AIやクラウドの普及により、データを活用して経営に提案を行う「攻め」の力も求められるようになっています。
CIOの醍醐味:ビジネス変革を牽引する達成感
CIOは経営層の一角として大きな裁量を持ち、他では得られない醍醐味(だいごみ)を味わうことができます。ここでは、その代表的な4つの醍醐味をご紹介します。
ビジネス変革を牽引する達成感
自身が立案したIT戦略が、企業の業績に直接的なインパクトを与える瞬間を目の当たりにできます。技術が単なるコストではなく、企業の成長を牽引する力へと変わっていく面白さは、この役職ならではの醍醐味です。
全社最適化を実現する知的な面白さ
特定の部署に閉じることなく、会社全体の活動に横断的に関与できるユニークな立場です。複雑に絡み合った業務プロセスや情報システムを分析し、巨大なパズルを解き明かすように全社最適な答えを導き出すプロセスは、知的好奇心を大いに満たしてくれます。
経営陣の信頼できるパートナーとなる誇り
データに基づいた客観的な分析を提示し、経営陣の的確な意思決定を支援することは、CIOが提供する重要な価値です。CEOや他の経営幹部から「君がいてくれて助かった」と全幅の信頼を寄せられる関係を築けた時、CIOとしての存在意義と誇りを強く感じられます。
「ワクワク」を体感できる課題解決の醍醐味
多くの社員が不可能だと諦めていた古い業務プロセスや、部門間の壁といった根深い課題に対し、デジタル技術という武器で挑戦し、突破口を開く。その結果、組織や文化が変革していく様を目の当たりにする瞬間は、まさに「ワクワク」を体感できる瞬間です。
CIOの試練:終わりなき戦いと重圧
その責任の重さゆえに、CIOには特有の試練や乗り越えるべき困難が伴います。ここでは、CIOが直面する代表的な4つの試練を見ていきましょう。
終わりなき戦い:レガシーシステムという怪物
長年の改修で複雑化したレガシーシステム(時代遅れの古いシステム)の刷新は、CIOにとって最大の難敵です。「ブラックボックス化」や「属人化」したシステムとの戦いは、キャリアを通じて続く、終わりなき挑戦と言えます。
見えざる敵との攻防:サイバーセキュリティの重圧
企業の重要情報を、日々巧妙化するサイバー攻撃や内部リスクから守る最終責任を負います。24時間365日、気の休まることのないプレッシャーは、CIOが常に背負わなければならない宿命です。
板挟みの調整業務:部門間の利害対立
全社最適を目指すIT戦略は、時に各部署の要求と衝突します。限られたIT予算の配分を巡る利害対立の調整は、技術的な知識だけでなく、高度な交渉力や調整力が不可欠です。
「どうすればできるか」を問われ続けるプレッシャー
経営陣は「できない理由」ではなく、ビジネス課題を解決するための「具体的な方法」を求めています。限られたリソースの中で、いかにして経営の期待に応え、目に見える成果を出すか、常に問われ続けるプレッシャーがあります。
CIOの成功の鍵は、経営層の言葉を技術の言葉へ、技術の言葉をビジネスの言葉へと、双方向に翻訳する「翻訳能力」にあるのです。
CTOとは?──技術で攻める「未来を創る責任者」

一方、技術の力で会社の未来を切り拓くのが「CTO」です。CIOが「会社を守る」存在なら、CTOは「技術で未来を創る」存在であり、会社の成長を牽引する中心的役職です。
その役割は、優れた技術力によって企業を市場での勝利に導くことです。
CTOの役割と具体的な仕事内容
CTOは主に、技術の力で新しい価値を生み出し、事業の成長を牽引する「攻め」の4つの重要な役割を担います。具体的には、以下の4つの役割に分けられます。
①技術戦略と研究開発(R&D)
技術の方向性を定め、未来への投資を主導します。企業の技術ロードマップを定義し、どのプログラミング言語やプラットフォームを使用するかといった重要なアーキテクチャ(システムの設計思想)の選択を行い、競争優位性をもたらしうる新技術の研究を担います。
具体例
自社のサービスにAIを導入することを決定し、そのための技術選定や基盤設計を主導します。これにより、競合他社にはない独自の機能を提供し、市場での優位性を築きます。
②製品開発の統括
企業の製品開発全体を監督し、その品質に最終責任を持ちます。日常的にコーディングを行うことは少なくなるかもしれませんが、ソフトウェアの品質、拡張性、そして納期に対する最終的な責任者となります。
具体例
ユーザー数の急増に備え、システムのパフォーマンス改善プロジェクトを指揮します。これにより、サービスが停止することなく、快適なユーザー体験を提供し続けます。
③エンジニアリングチームの構築と文化醸成
最高のエンジニアが集まる、魅力的な開発組織を創り上げます。優秀なエンジニア人材を引きつけ、維持し、育成することはCTOの極めて重要な役割です。イノベーション(技術革新)と高いパフォーマンスを促進する文化を創造します。
具体例
社内勉強会やハッカソンを定期的に開催し、エンジニアが新しい技術を学び、挑戦できる文化を醸成します。また、エンジニアのキャリアパスを整備し、成長を支援します。
④技術的な渉外とステークホルダー管理
技術とビジネスの橋渡し役を務めます。エンジニアリングチームと、CEO、取締役会、投資家といったステークホルダー(利害関係者)との間で、複雑な技術内容を分かりやすく説明し、円滑なコミュニケーションを促します。
CTOが活躍する事業会社
CTOが最も力を発揮できるのは、テクノロジーそのものを製品として提供している企業です。SaaS企業やゲーム会社のように、技術が事業の中心となる企業では、革新的で競争力のある製品を生み出し、市場をリードすることが最大の課題となります。そのため、プロダクト開発の方向性を示し、技術戦略を経営と結びつけるCTOの存在が欠かせません。
具体例
- SaaS企業: UI/UXなど製品の使いやすさが売上に直結
- ゲーム会社: グラフィック技術や処理性能が競争力を決定づける
このように、技術力が事業の生命線となる企業において、CTOは企業成長を支える中核的存在です。さらに近年では、生成AIや自動化技術をどのようにプロダクトへ統合し、価値を高めるかが、CTOに求められる最重要テーマとなっています。
CTOの醍醐味:ゼロからイチを生み出す創造の喜び
CTOは技術の最前線でイノベーションを牽引する魅力的な役職です。ここでは、その代表的な4つの醍醐味をご紹介します。
ゼロからイチを生み出す創造の喜び
まだ形のないアイデアが、自らの技術的な意思決定を経てサービスとして世の中に生まれ、多くの人に使われる。この「ゼロからイチを生み出す」創造のプロセスは、何物にも代えがたい喜びです。
技術的好奇心を探求できる環境
自身の技術的好奇心を探求することが、そのまま企業の成長に繋がる理想的な環境です。最先端の技術を調査・評価し、ビジネスの現場で発生する困難な課題を解決に導いた時の達成感は格別です。
チームと共に成長する実感
自らが採用し、育成に関わったエンジニアが成長し、チームの主軸として活躍していく姿を間近で見守ることができます。個の成長が組織の力となる手応えは、リーダーとしての大きなやりがいです。
経営層と連携し、事業戦略に関与できる
技術的な知見を活かして、経営の意思決定や事業戦略そのものに深く関わることができます。
CTOの試練:未来を予測する重責と孤独
しかし、その華やかさの裏には特有のプレッシャーや困難も存在します。ここでは、CTOが直面する代表的な4つの試練を見ていきましょう。
熾烈なエンジニア獲得競争に勝ち抜く必要がある
DX化の加速で優秀なエンジニアは全ての企業で引く手あまたのため、採用競争は熾烈を極めます。その結果、CTOは採用活動に多大な時間を割かれ、もし採用できなければ事業計画そのものが遅延するリスクと向き合わなければなりません。
事業の未来を左右する判断を迫られる
誤った技術選択が、長期的な技術的負債(後から修正が必要になる設計上の問題)を生む可能性があります。不確実な未来に対し、常に正しい「賭け」をし続けなければならないプレッシャーがあります。
事業と開発の板挟みになる
「短期的な売上につながる新機能が欲しい」ビジネスサイドと、「長期的なシステムの安定性を担保したい」エンジニアとの間で、常にバランスを取る必要があります。
時には非情な決断を下す孤独と向き合う
ビジネスサイドから「競合に勝つため、この機能を来月までにリリースしてほしい」という短期的な要求があったとします。しかし、開発チームからは「そのスケジュールでは品質が担保できず、将来必ず大きな問題になります」という反対の声が上がります。このような状況で、事業のスピードと、技術的な品質のどちらを優先するのか、最終的な判断を下すのがCTOです。時には、チームの意に反して短期的なリリースを優先するという「不人気な決断」を下さなければならないこともあり、その責任とプレッシャーを一人で背負う孤独感は、CTOが向き合うべき厳しい現実です。
CIO/CTOになるには?|担当者からの戦略的なキャリア設計

CIOとCTO、それぞれの役割は異なりますが、どちらを目指すにせよ、社内SEという「担当者」の立場から「経営層」へと視点を引き上げる必要があります。
【大前提】一般社員から経営層になるということ
一般社員から経営層になるにあたっては、「自分の成果を中心に考える」立場から、「会社全体の持続的成長を考える」立場へと、意識と行動を大きく変える必要があります。
視点の変化:部分最適から全体最適へ
一般社員の観点: 自身の担当業務における成果の重視
経営層の観点: 全社のバランスを考慮した意思決定
視点の変化:短期成果から長期戦略へ
一般社員の観点: 自身の部署や四半期の成果の重視
経営層の観点: 数年先の企業価値や市場環境を見据えた判断
行動の変化:指示待ちから意思決定者へ
一般社員の観点: 上司の指示に基づく行動
経営層の観点: 曖昧な状況でも自ら意思決定をくだし、その結果への責任
行動の変化:管理からリーダーシップへ
一般社員の観点: チームのタスクや進捗の管理
経営層の観点: ビジョン共有や文化づくりによる、人と組織の牽引
行動の変化:個人成果から組織貢献へ
一般社員の観点: 優秀なプレイヤーとしての個人的な成果の追求
経営層の観点: 人材育成や後継者づくりによる組織全体の貢献
CIOへの道筋:PM経験を積み、経営視座を養う
CIOを目指すには、プロジェクトマネジメントや部門調整の経験を積み、徐々に経営に近い視座を養っていくことが王道となります。具体的なステップは以下の通りです。
step
1主任~係長級/担当SE・小規模PM
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2課長級/大規模プロジェクトのPM・PMO
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3部長級/情報システム部門長
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4本部長・執行役員級/CIO(最高情報責任者)
CTOへの道筋:技術リーダーから開発組織のトップへ
CTOを目指すには、まず製品開発の現場で技術的なリーダーシップを発揮し、徐々に人の管理や開発組織全体の戦略へと責任範囲を広げていきます。具体的なステップは以下の通りです。
step
1主任~係長級/担当エンジニア・技術リーダー
step
2課長級/エンジニアリングマネージャー
step
3部長級/開発部門の責任者
step
4本部長・執行役員級/CTO(最高技術責任者)
まとめ:CIO・CTOは、社内SEの経験を土台に目指せるキャリアの頂点
この記事では、まずCIO、次にCTOの役割やキャリアパスをそれぞれ解説し、最後に両者に共通して求められる経営者視点についてお伝えしました。
| CIO(最高情報責任者) | CTO(最高技術責任者) | |
|---|---|---|
| 役割 | ITで経営を効率化する(守り) | 技術でビジネスを成長させる(攻め) |
| 活躍する企業 | 製造業、金融、小売など | SaaS、Webサービス、ゲームなど |
| 主なキャリアパス | 社内SE → PM → IT部長 | エンジニア → テックリード → 開発部長 |
CIOは「ITで社内を最適化する」経営者、CTOは「技術で製品を革新する」経営者であり、どちらも社内SEが培った経験を土台に目指し得る、非常に魅力的なキャリアの頂点の一つです。
そのためには、技術的な専門性を深めるだけでなく、常にビジネス全体への関心を持ち、経営の視点を養っていくことが不可欠です。
この記事を読んで、少しでもCIO・CTOというキャリアに興味を持ったなら、ぜひ今日から経営者視点を意識したアクションを始めてみてください。
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FAQ:「CIO・CTOへのキャリア」についてよくある質問
CIO・CTOへのキャリアについて、多くの方が抱く疑問にお答えします。
Q1. 文系出身の社内SEでも、CIOやCTOを目指せますか?
はい、十分に可能です。特にCIOは、技術そのものよりも、ITをどうビジネスに活かすかという企画力や調整力が重視されるため、文系出身者が強みを発揮できる場面も多くあります。大切なのは出身学部ではなく、ビジネスとITの両方に精通しようと学び続ける姿勢です。
Q2. CIOやCTOになるには、MBAのような学位は必要ですか?
必須ではありません。実務経験を通じて、経営知識やリーダーシップを身につけていることの方が、学位そのものよりも重要視される傾向にあります。ただし、MBAの課程で学ぶ経営戦略や財務の知識はCIO・CTOの業務に直結するため、体系的に学びたい場合に取得を検討するのは有効な選択肢です。
Q3. ずっとコードを書いていたいのですが、CTOになれますか?
企業の規模によります。創業期のスタートアップでは、CTOが最も手を動かすエンジニアであることも珍しくありません。しかし、企業が成長するにつれて、CTOの役割は技術戦略の策定やチームのマネジメントへと移行していきます。
Q4. CIO・CTO以外に、Cから始まる役職にはどのようなものがありますか?
近年、経営の専門化に伴い、様々なCxO職が生まれています。CIO・CTOと関連が深い役職をいくつかご紹介します。
| 略称 | 正式名称 | 主な役割 |
|---|---|---|
| CDO | Chief Digital / Data Officer (最高デジタル責任者/最高データ責任者) |
デジタル変革(Digital)またはデータ活用戦略(Data)の最高責任者 |
| CISO | Chief Information Security Officer (最高情報セキュリティ責任者) |
情報セキュリティに関する最高責任者 |
| CPO | Chief Product Officer (最高製品責任者) |
製品戦略やプロダクトマネジメント全体の最高責任者 |
特にCDOは企業によって「Digital」と「Data」の2つの意味で使われることがあり、注意が必要です。
Q5. CIOやCTOは、法的な役員ではないのですか?
日本の会社法上で定められている「取締役」といった役員とは異なり、CIOやCTOは企業内での職責を示すための呼称です。一般的には、「執行役員(CIO)」のように、執行役員などの会社組織上の役職名の後やカッコ書きで併記されることが多いです。
Q6. 大企業とスタートアップでは、CIO・CTOの役割は違いますか?
はい、大きく異なります。大企業のCIO・CTOは、既存の巨大なシステムや組織を管理・最適化する役割が強いです。一方、スタートアップのCTOは、自ら手を動かしてゼロから製品を開発し、ビジネスの成長そのものを牽引する役割を担います。どちらの環境が自分の志向に合っているかを考えることも、重要なキャリア選択の一つです。
用語解説
- 1. DX (デジタルトランスフォーメーション)
- デジタル技術を活用して、企業のビジネスモデルや業務、組織文化などを根本的に変革すること
- 2. ROI (Return on Investment)
- 投資対効果。投じたコストに対して、どれだけの利益や価値を生み出せたかを測る指標