少しパソコンに詳しいという理由だけで、私が業務を引き継ぐ事になってしまいました。やっていけるか不安です。
上記のような悩みを解決します。
こんにちは、一人情シス（一人社内SEともいいいますが、以降一人情シスで統一します）という言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
この記事を読むことで一人情シスの実体を理解し、キャリア選択に役立てていただけると幸いです。
本記事の内容
・総務部や経理部所属？一人情シスとは
・一人情シスが会社や社員に及ぼすメリット・デメリット
・一人情シスに転職、異動になったらどうするか。
総務部や経理部所属？一人情シスとは
一人情シス（一人社内SE）とは、明確な定義はないですが、企業の情報システム管理が以下のようになっている状態を指します。
・社内のIT関連の業務（企画、インフラ、ヘルプデスク等）をすべて一人の社員で担当している
・総務部や経理部に所属の社員が、本業とは別に社内SEの役割を担っている
一人情シスが会社や社員に及ぼすメリット・デメリット
メリット
責任者が明確であり、たらい回しにされることがない。
良くも悪くもIT担当は一人しかいません。
大企業でよくありがちな、誰に聞いたら良いかわからない、複数の部署や担当者間でたらい回しにされる、といった事がなくなります。
裁量権がある
ここでいう裁量権とは、「導入機器やシステムの仕様を自分の好きなように決められる」事を指します。
大企業の情シスであれば、そういった決定は、ITに詳しい複数の人のレビューや、会社の経営会議等を経て決定されます。
しかし、「一人情シス」の会社の場合はそういった事に意見できる人が他にいないのです。
言い方を変えると、一人情シスの場合、誰にも相談できる人がいないという言い方もできますが。
ITにかかる人件費が削減できる
会社から見ると、情シス要員を増やしても直接的な売上にはならず、むしろコストが増える事になります。
情シスの人数を最小限に抑え、その分人件費を営業員等に割当てれば、売上の向上に貢献してくれる可能性があります。
もちろん、ITにかけるコストを最小限にすることが正しい経営判断なのかは考える必要がありますが、
立ち上げたばかりのベンチャー企業等で、ITはすべてクラウドサービスを利用する等の前提で、戦略的にそいった体制にしているのであれば、一つの考え方としてはアリかと思います。
幅広く経験を積むことができる
これは一人情シスの方にとってのメリットになります。
大企業の情シスになると、運用／インフラ／アプリケーションでチームが別れれている場合が多く、
同じ仕事（例えばサーバ管理）を長期間対応することも珍しくありません。
一方で、一人情シスの場合はエクセルの使い方に対する問い合わせからサーバ管理まで、
すべて一人で対応する事になりますので必然的に幅広い経験を積むことができます。
デメリット
労務上、健康管理上の問題
以下の理由により、一人情シスの方はどうしても負荷が高くなりがちです。
・仕事を誰にも振ることができないため、休みがとりずらい。
・管理するシステムが多く、同時にトラブルがおきた場合でも一人で対応しなくてはいけない。
・夜間土日でもシステムを利用している社員が一人でもいる場合、連絡を受けて対応せざるを得ない。
結果、労働環境がブラック化し、体調やメンタルに影響がでる場合があります。
セキュリティ上の問題
通常、一人情シスはシステムの管理者権限を持っているので、
すべてのデータ（顧客情報や従業員の個人情報）にアクセス可能です。
万が一、その担当者が悪い人間だった場合、会社の機密情報の持ち出しを行う可能性がある、
また持ち出しを行った場合でも誰も気づかない、といった事が起きる可能性があります。
こういったリスクも、一人情シスを抱える場合は認識しておく必要があります。
会社の業務継続上の問題
企業経営におけるITの重要性は近年、ますます高まっています。
そのITを「一人情シス」に任せていると、その一人が
・事故・病気等で長期間入院が必要になってしまった
・仕事に不満を抱いており、引き継ぎもせずに退職してしまった
となった際に、企業として正常な業務を続けて行けなくなり、致命的な影響を及ぼす可能性があります。
そのためにも、最低限情シス担当者は最低でも２人は置くことが望ましいでしょう。
ITの戦略的な活用の遅れの問題
ITを単なる道具ではなく、効率的に利用することにより会社の戦略を実現するツールともなり得ます。
ただ、一人情シスは既存のシステムやPCの保守だけで精一杯で、そういった「攻め」のIT施策に取り組む余裕がないのが通常です。
結果、「IT活用」といった面で、競合他社に遅れを取る可能性があります。
もし一人情シスに異動になったらどうするか。
IT業務のアウトソース化を検討
情シス業務自体を外部の専門業者にアウトソースを検討しましょう。
具体的には、サーバやPCの管理、セットアップといった手を動かす部分は専門業者に任せることができます。
それによって、自社のIT戦略といった「攻め」の業務にシフトすることができます。
システムのクラウド化を検討する
自社でシステムを「持つ」のではなく、クラウドサービスを「利用する」事により日々のシステム運用が楽になります。
クラウドサービス（SaaS,PaaS,IaaS等）の具体的な内容は様々なサイトや書籍で紹介されていますので、本記事では割愛しますが、
ハードやソフトのメンテナンスも自分で対応する必要がなくなるため、安心して夜も寝ることができます。
情シス増員の必要性を経営陣に訴える
一人情シスが発生する大きな原因の一つとして、経営陣のITに対する理解不足があります。
会社の規模や業種に限らず、今後、会社の成長にはITが不可欠であること、
情シス増員の必要性を経営陣に訴え、体制強化をしてもらうことが必要です。
環境を変える（社内異動や転職等）
上記のような提案をしても受け入れらる見込みがない場合は思い切って環境を変える事を考えましょう。
具体的には、他部署への異動を願い出る、転職するなどが考えられます。
現在の会社によっぽど愛着があれば別ですが、一度切りの自分の人生です。
「自分が辞めらたら後任がいないから」等の理由で転職をおもいとどまって後で後悔しないようにしたいですね。
最後に
本日は以下について紹介しました。
・総務部や経理部所属？一人情シス（一人社内SE）とは
・一人情シス（一人社内SE）が会社や社員に及ぼすメリット・デメリット
・もし一人情シスに異動になったらどうするか。
お役に立てれば幸いです。